会長ご挨拶

小澤 章子 第23回日本医療ガス学会学術大会会長を拝命いたしました静岡医 療センターの小澤章子と申します。平成31年10 月26日(土)に「ガスの未来と安全管理」をテーマに、 お茶の水ソラシティで開催させていただきます。

 近年、医療現場で使用されている二酸化炭素ガスと水素ガスの「 今と未来」について、 第一線でご活躍の臨床医の先生方にお話しいただきます。 ガスは医療現場だけではありません。 次世代エネルギーとして注目されている水素ガスで走るトヨタ自動 車「MIRAI」 を開発された田中義和様にご講演をお願いしております。

 シンポジウムは「医療ガスの安全管理 平時の安全管理と災害時のBCP(事業継続計画: Business Continuity Plan)」を予定しています。 医療ガスは医療現場で日常的に使用されていますが、 高圧ボンベの破損や発火、 酸素ボンベと二酸化炭素ボンベの取り違え事故が度々起きています 。病院に求められる平時の管理として、厚労省局長通達( 平成29年9月6日発令、通称「96通達」) をご紹介させていただきます。 この通達で安全対策への取り組みを強化することが明示されました 。前回の通達は昭和63年7月15日で、 30年の時を経て改訂され、 ガスに関する医療事故防止に向けて新たなスタートが切られました 。また、昨年は「災(わざわい)」の歳でした。大地震、 台風等による自然災害で大きな被害を被られた方々に、 心よりお見舞い申し上げます。 北海道東部胆振地震では停電のため北海道内の医療機関では酸素の 確保が危機的状況となり、厚労省から「 工業用酸素の臨床使用を許可する」 という異例の通達が出されました。 西日本台風で酸素供給が絶たれたご施設がありました。 阪神淡路大震災、東日本大震災など近年の広域災害を振り返り、 災害時の医療ガスの安全管理と供給体制の確立に関するマニュアル やプロトコール作りについてディスカッションを検討しています。 「BCPは作ったが、具体的に・・・」とお考えの皆様に、酸素、 医療ガスの議論に端を発し、 各ご施設でのBCP策定や今後の研修実施の一助になれば幸甚に存 じます。

 医療ガスはなくてはならないもので、 手術のみならず検査や治療に幅広く使われ、 そして大きな将来性を秘めています。同時に、 取り扱いに注意が必要な有限な資源です。 現場の医療従事者の方だけでなく、施設管理者、 事務ご担当者様のご参加をお待ちしております。

 

  第23回日本医療ガス学会学術大会・総会
総会長 小澤 章子
独立行政法人国立病院機構 静岡医療センター統括診療部長